研究を始めた週の1日(前編)-家で過ごす午前 (7th April, 2022)
入国して2週間たち、住民登録が完了し、研究も始まってきた。どんな生活をしているのか、2022/04/06
の1日をピックアップして簡潔に書いてみる。
午前:自宅で作業
起床と朝飯
朝8時ほどに起床。サラミ(タンパク質、乳酸菌)とキャベツ(食物繊維)をライ麦トースト(ビタミン豊富)に挟んだ質素な朝ごはんをとる。瓶詰めのにんじん(赤色野菜)と、腸の働きを整えるためにヨーグルトも欠かせない。実は、今紹介した食材は、先週大量購入(安かったため)してしまったので、この食生活は当面続くことだろう。
家で過ごす朝の集中タイム
起床後は生産性が比較的高いので、重要なことを朝にやるようにしている。以下は今日の例だが、毎日やることは日によって大きく違う。
- 起床後1時間だけコーディング(研究とは関係ない)
- 朝の11時まで論文を読む
- 今は研究テーマに関してサーベイ論文などを読んでいる
- まだ論文の読み方を心得ていないので、通常の英語の文章よりも読むのに時間がかかる
- ていうか、フルペーパー長すぎない?論文って15ページもあるとは知らなかった。
- Kindle Paperwhiteで読むと目が疲れにくい(最近のマイブーム)
研究所のミーティングは合理的
- 11時からリモートミーティング
- 指導教官とPhDの先輩と三人で研究について話す
今日はミーティングがあった。ミーティングは基本的には、必要な時にセットされる。時間が固定というよりは、参加者の予定の空きスロットにその都度入れるという感じとなっている。また、オンラインでは資料の共有がしやすいのと、部屋の移動などが発生しないのと、そもそもフルリモートの研究者が多数なので、ミーティングは基本フルリモートになっている。必要な分だけミーティングに時間をさき、逆に話すことが完了すれば早く終わる。
参加人数が少ないからできることだが、日本でもこういうミニマムだったらいいのにな、と思う。某巨大IT企業ののミーティングでは、ピザ一枚を食べ切れる人数でミーティングをしましょう、という指針があるらしい。その指針を参考にしているのかどうかはわからないが、ミーティングの人数の少なさと、ミニマムさはドイツに来てから気に入った点の一つである。
もちろん、全体のミーティングもたまにあるが、研究者の時間を無駄にしないよう、議題は事前に明確にされ、ファシリテーターがラジオのDJのように司会進行をしてくれ、全体ミーティングは迅速に終了する。日本に戻ったときに、この合理的な仕組みを布教したい。
また、意思決定がかなり早い気がする。選択肢のAとBでどちらでもいい場合は、すぐに決まる。また、どちらかわからない場合は、仮の方向性を示して、それでとりあえずやってみましょう、という形になることが多いかもしれない。給料をもらって研究しているガチプロの人が多いので、私はただの学生なのだが、もはや社会人として働いているような感覚になり、タイムマネジメントに関しても学ぶことが多いと感じた。
なぜかミーティングについて熱く感想を語ってしまったが、ドイツの研究所でのミーティングは:
- 議題があらかじめ明確になっている
- 参加人数が少ない
- 意思決定が速い
- ミーティング時間が短い
昼休み
契約しているアパートにジムがあるので、ミーティング終わりに20分だけElipticalというマシンで運動をした。5分だけやるつもりが、案外ハマるものだ。ドイツに来てから最近、心拍数を上げる運動をしていない。現在の科学では、運動をすることが脳機能を高めるための有力な手段であるとされているので、(「スマホ脳」という本で読んだ。)、今後もミーティングの後はこれを続けたい。
昼ごはんは、朝と同じだ。正直、飽きてきたが、大量購入してしまったので今月は同じメニューだ。食費は下がるが、QOLも下がってしまった。 食費の安さと、QOLを両立させるコツはないのか? 割と最近の深刻な悩みだ。とはいえ、 根本的な原因は、思った以上に留学にお金がかかっている ということだ。なので、奨学金があと5万円ほど増えればいいのだが、そんなことはないので、頭を使って節約だ!。まあ、ドイツで一年過ごした経験があれば、貯金が減ることがどうでも良くなるくらいの年収が将来就職したときにもらえると期待しているので、裕福な暮らしは将来にとっておこう。バイトで貯めた貯金を使えば、まあなんとかなる範囲だと思っています。
午後:コーヒーのみに研究所へ
あれ、家から出てなくね?と思ったあなたへ
ドイツに来てから驚いたのだが、フルタイムでない私のような学生には、実はコアタイムもなく、対面で研究室に行く必要もないのだ。
実は、DFKIは昨今の世界情勢を鑑みて、フルリモートの研究者がかなり多い。リモートの味を占めて、全く来なくなってしまった研究者もいるらしい。学生の私でさえ、究極的には、フルリモート的な研究の仕方も可能だ。しかし、せっかくドイツに来ているので、午後に研究所にコーヒーを飲みにいく。
次回予告:コーヒーマシンがもたらす友情
後編 に続く