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ジレンマ:人生の選択肢は無限大、けれど人生は一度きり (29th May, 2022)

昨日は研究所に日本のある企業から出向している研究者の方々と一緒にバーに行きました。彼らは今年の春からドイツに移り、僕よりも長く滞在する予定だそうです。バーでは、日本の会社の福利厚生であったり仕事に関することなどを、外資系と比べたり、キャリアについて色んな話をしました。

話題になったのは、日本の伝統的な会社は福利厚生が意外と手厚いということ。得に海外滞在だとそれは顕著だそう。例えば伝統的な日本の会社は家賃を手厚く補助してくれたり、海外駐在の手当をくれたりする。 こうした手当を度外視すれば、確かに年収や昇給などの点ではアメリカやヨーロッパの企業にはなかなか勝てないところがあるらしい。 とは言うものの思うように働けなくなった時のセーフティネットや退職金がある点などは、日本企業はしっかり整備してくれているというところがある。それは年功序列で終身雇用を想定しているシステムの上にあるもののようだ。

また海外駐在をする時に、日系企業では家賃補助だけでなく、家の手配などもエージェントに依頼して代行してくれることも多いらしい。一方で、ドイツの現地企業にもしも就職した場合は、そうしたことはすべて自分でやらなければいけない。その点は日本企業の良い面でもあるだろう。僕たちはビザ取得に苦労しているが、彼らはデュッセルドルフにあるエージェントに依頼したおかげで、僕らより遅く来たのにも関わらず僕らより早くビザを取得することができたそう。日系企業はそう言った根回しも手厚いらしい。

一方で、同じ席にいた、巨大な外資系企業に内定をもらっている、日本からの留学生の人の話も興味深かった。いわゆる外資系で競争が激しい会社では、成果報酬制の割合も多いらしい。それは一見魅力的ではあるものの、ある意味成果が出せなかったりした時に困ることがあるらしい。 とある外資系の会社では、給料はかなり良いものの、退職金は無いらしい。また、東京の丸の内に通勤する必要があるにもかかわらず、家賃補助等は無いらしい。なので基本給などを考えると外資でもそうでなくてもトントンだそうである。 実力主義と、終身雇用がもたらす福利厚生、これらのどちらがいいのかはなかなか難しい問題に見える。

仮に某IT企業で理論上は給与に天井がなかったとしても、それがいつまで続くとは限らない。いつまでたっても長い長い人生というマラソンを走り続けるのはたやすいことではないようにえる。必ず誰かは脱落するし、それが自分にならないとは限らない。また、お金を追求するために、ハードワークで心をすり減らしてしまうようなこともあるかもしれない。

個人的な話をすると現在自分は外資系の会社の新卒の枠に応募している。いわゆる外資の巨大企業である。3回のオンラインでのインタビューを受け、最後の面接が月曜にある。もしオファーレターをもらったらどうだろう、という淡い期待もある。これとあわせて、大学院に進むという選択肢もある。(こちらが現在のメインの計画)日本の住み慣れた環境を抜け出してからは、急に選択肢が増えて、人生についてふと色々考えていることが多い。それは進学でも、就職でもそうだし、それに限らない。

やはり何事にも良い面と悪い面があるので、簡単に決めるのは難しい。とはいうものの、自分の人生は自分で決めなければいけないし、それに期限期限が伴うことも多い。

これに関しては、僕の先輩方(2名)にアドバイスをいただいた。自分なりに要約すると以下。「何か物事を決めるときは、その実際に決めたこと自体は後から見れば大事ではない。むしろ、それを自分が振り返って正解だったと思えるように軌道修正していくことのほうが大事。」

なるほど。いま自分は、どこから来て、どういう場所にいて、これからどこへ向かおうとしてるのか。定期的に振り返りつつ決めていきたい。このブログの存在意義は、まさにそういうことなんだと思う。