見知らぬ国への留学と、いろいろな人の善意。(5th April, 2022)
今回、ドイツ留学をするにあたり、出発の直前から、現地に住み始めてから1週間。 Give and take という言葉があるが、むしろ自分は与えられすぎているのではないか、と思うことがある。
2022/04/04 この記事は、白ビールと黒ビールをご馳走になった後に書いています。
府立大の研究室の先生と先輩
そもそも、今回の留学受け入れ先のドイツ人工知能研究センターに繋がることができたのは、私の所属する府立大学の研究室の先輩や、先生方がドイツ人工知能研究センターと長い間学術的な交流を続けていたためである。また、私の所属する研究室は、交換留学でたくさんの学生を海外から受けれてきた背景がある。そのような事情を考慮すれば、研究室単位でJASSOの奨学金に申し込んでいただいたことは、私個人で申し込むよりもはるかに、採択の可能性が上がったのではないかと思われる。
また、ドイツから私の研究室に過去に留学していたマーセル君には、出発後にさまざまな面でお世話になった。このことについては後述する。
元ドイツ人留学生とのつながり
フランクフルト到着後、「ドイツの鉄道は日本ほど便利ではない」とマーセル君からLINEがあり、なんとマーセル君の車で直接カイザースラウテルン入りをした。長時間のフライトの後に、電車を正しく乗り換えできる自信はなかったため、非常に助かった。
マーセル君は、府立大の私の所属する研究室に、過去に留学していたことがある。府立大の留学生寮でやっていた留学生のクリスマスパーティに参加した時に知り合ったが、その時は研究室についてはよく知らなかった。1年以上の時が流れ、今回私がDFKIに行くことをLINEで伝えると、彼はマスターを修了してからDFKIで働き始めていたのそうだ。なんという偶然だろう。
マーセル君と日本人の友達で、ピザを作ってささやかなパーティをしたり、パスタパーティをしたり、現地のスーパーのおすすめをレクチャーしてもらったりと、その中で、ドイツの文化について学んだり、ドイツの文化が他のEU圏や、日本とどのように違うのかなどを学ぶことができた。面白いことに、日本の文化は、日本にいる限り意識しないし、比較対象がない。この点では、むしろ海外の文化に触れることで、日本の文化の差分、つまり独自性を学ぶことができるような感じがする。
このような出来事が起きたきっかけとしては、府立大の留学生寮でイベントが行われていたことも大きい。こういう何気ない人と人の繋がりが、思ってもない良いことを生み出すことがあるので、そのような機会を提供していただいた国際交流課の皆様には感謝を伝えたい。
偉大なる在独の日本人先輩方
特に、受け入れ先の研究室で一緒になっている、石丸さんと、渡邊さんの存在は大きい。石丸さんは、ドイツ歴が7年ほどあり、現地の様々な事情を惜しみなく教えてくれる。特に、留学や研究、海外生活に関してのハック技や陥りやすい失敗と、その回避策などを様々教わることとなった。また、渡邊さんは社会人の経験もあり、意思決定の速さ(仕事もプライベートも)や、ものの見方はとても新鮮で、今の自分の知らない世界をいくつも聞かせてくれる。
このお二方から学んだことは、長くなるので別に記事に書くことがあるかもしれません。
日本人の同志たち
中谷財団のプログラムで留学しているモネさん。1ヶ月の滞在でドイツ語もそこそこ喋れるようになっている猛者。その秘訣は、Duoringoというスマホアプリだそうだ。それを聞いた私は、即座にDuoringoをインストールし、少しずつドイツ語を練習している。Danke.彼女が面白いのは、DFKIという人工知能研究がメインのところに、物理系の専攻でありながら研究留学をしている点だ。まさに、異分野融合。そして、驚くべき対人スキルと語学力には、見習うべき点が多い。自分は、中谷財団のプログラムに過去に応募したものの受かることができなかったが、結果的にこうして中谷財団の奨学生と関わることができ、その驚くべき生態を目の当たりにできたということは、とても恵まれていると感じた。
府大から来ている相棒のHarukiには、ドイツについてからの仮の宿に泊まっていた9日間、その圧倒的自炊力に頼っていた。イタリアンレストランで培われたその豊かな感性は、ドイツの豊富な食材と共鳴し、絶品のパスタを生み出す。様々な場面で、自分とは違うものの見方や、圧倒的生活力、そして、筋トレへのモチベーションに驚かされる。いつもありがとう。これからも1年間、ドイツで共に強く生きていこう。
というわけで、彼のブログもブックマーク必須ということだ。 https://harukisuzawa.pythonanywhere.com/
そして、DFKIにはもう一人、NAISTからのインターン生の山田さんが来ています。院生の目線で、研究に関してのいろいろなお話を伺うことがあり、大変心強いです。まだ2回しかお会いしていませんが、これからよろしくお願いします。
留学を支えてくださっている方々
受け入れ先の秘書さん、府大の秘書さん、国際交流課の方々には特にお世話になりました。そして、受け入れ先の先生方、府大の先生方(特に、快く1年間も留学に送り出していただいた指導教官の先生)には心から感謝しています。また、TU Kaiserslauternの国際交流課の方々、市役所のみなさんには、何度もお世話になりました。Thank you for your patience!
特に、住民登録で3回目で粘り、空きスロットに予約を入れてくれた市役所のインフォメーションセンターの方、ありがとうございました。おかげで、2週間以内に手続きが完了し、強制送還を免れました。ありがとう、once again.
最後に
今の自分には、与えられた善意を社会に還元できるほどの能力や立場にはない。しかし、将来、少しずつ何らかの形で「与えること」ができるようになるといいな、と思っている。このブログを書いている理由の一つもそれである。今は一人の学生という立場でしかないが、近い将来、研究者や開発者として、社会や、過去の自分のような迷える子羊の一つの道標となれるように、毎日を有意義にしていきたいと思う。
留学の公約として、留学の様子を発信することで、留学をより身近なものに感じてもらえたらなと考えています。もちろん、様々な手続きやトラブル等、簡単なことばかりではないのが現実です。しかしながら、それでも、少しでも留学を身近なものに感じてもらえたり、何かしら教訓を得てもらえたら幸いです。今の段階では記事はないですが、気の向く時にまた書いていきますのでブックマーク等お願いします:)