南インドCochin、友人の結婚式への旅—1日目 (13 Dec 2024)
年末で全体的に忙しかった仕事も落ち着き、しばらくの旅行休暇ができた。この10日の予定を使った、インド・スリランカ旅行が幕を開けた。
出発前夜は会社の年末パーティでブレイクダンスを披露したりと、盛りだくさんの日々である。家に帰ったらすでに深夜1時。睡眠があまり取れず、朝から成田空港に向かった。行きのフライトは、タイ航空でバンコク経由のものであった。すでに成田からバンコクまでのフライトはオンラインチェックインができていたが、バンコクからインドのコチ(Cochin/Kochi)へのフライトはオンラインチェックインに失敗し、カウンターにてチェックインするようなメッセージが出た。成田空港のクレジットカード会社提携のラウンジにてコーヒー飲みながら、原因について考えていたが、おそらくインドのeVisaの書類をカウンターで見せる必要がありそうだ。睡眠不足で、頭が働かない。とにかく、本能のままに故郷に帰る渡り鳥のように、私はチェックインカウンターにいった。結果、やはりeVisaの書類を見せる必要があった。自分はeVisaの承認通知のメールを事前コピーしていたもの(簡潔な情報しかない)を見せた。しかし、成田のカウンターのお姉さんによると、eVisaのウェブサイトから顔写真やバーコード付きのpdfが得られるので、それを見せるとインドの空港でもスムーズに行くとのアドバイスをもらった。インドのeVisa、それは日本からインドに行く人が少ないため、知る人ぞ知る世界である。今書いているこのブログが日本からインドへの旅人の一助となれば幸いである。
結局成田にて、インドのルピーへの両替はしなかった。一つの理由は、インドで集合する日本の友人が皆、現地にてカードのキャッシング機能でお金を引き出すからである。二つ目は、インドがそもそも国外への外貨持ち出しを厳しく制限していることがある。なので、そもそも日本で両替する必要性はさほど感じられなかった。これが吉と出るか、凶と出るか、その答え合わせは後日乞うご期待。
成田からジャンボジェットは出発し、7時間ほどかけバンコクに着いた。機内食はサバのご飯を選んだ。サバの魚臭さはあるものの、油が乗っていて普通に美味い。そして、日本初であるためか、めんつゆ付きの蕎麦もあった。
機内では、いくつか読み物を読んでいたが、時折読んでいるのか、寝ているのかわからないくらいに眠気が来るので、あまり捗らなかった。途中で、「猿の惑星」という、賢くなったチンパンジーやボノノが、人類とやがて敵対するという映画を見た。これはカリフォルニアのサンフランシスコと、サンブランシスコのゴールデンゲートブリッジの奥のSonomaと言われる場所が舞台になっていた。今年の初めにカリフォルニアに行った時に行ったので、映画の中でSonomaでチンパンジーの大暴動が起き、ゴールデンゲートブリッジで人間とサルの軍団が戦闘していたのはリアルでもあり、面白くもあった。なんでサンフランシスコ近辺が舞台なのだろうと、色々考えた。この映画では、カリフォルニアのテクノロジー系スタートアップ的な会社の研究所で、猿に人体実験を行っていたことから話が始まった。猿たちは賢くなり、武器も使えるようになり、さらには喋ることもできるようになった。これはシリコンバレーにありがちな、新しい技術、例えば人工知能のようなテクノロジーを目先の利益を優先して、十分な検証を経ずに世に公開することへの警鐘にもみえた。または、よくあるバベルの塔的なストーリーである。まあ、この記事は映画のレビューではないので、ここにて映画の話は一旦ストップする。映画の中でチンパンジーたちが、ゴールデンゲートブリッジでの戦いに勝利した後、映画は終わった。それも束の間の休息で、機内ではチーズの入ったブリトーのような軽食が配られた。これはめちゃくちゃ美味しかった。コーヒーもいただいたところで、飛行機はついにバンコクに着陸した。
(ここで軽食の画像を載せる。)
バンコクは曇りで、とても蒸し暑い。成田は寒かったため長袖長ズボンだったが、バンコクではサウナスーツを来ているようなものだ。当初、バンコクでは4時間の乗り換えがあったが、入国するつもりはなかった。しかし、夕方になり、タイ料理が食べたくなったので、ビザについて調べた。結論、2024年から、日本のパスポートを持っている場合、観光ビザは必要ないことを知った。バンコクの空港の保安検査後のエリアではまともな飲食店がなさげだったので、ひとまず入国審査をした。それは、コンビニでメルカリの荷物を発送するよりも簡単な手続きであった。空港のフードコートエリアでは、バーガーキングや、日本食レストランが並ぶ中、自分は、ハリケーンの近くにいる牛のように、タイ料理の店に吸い込まれていった。プリプリのえびと、そうめんが入っているトムヤンクンと、Chang Beerというラガービールの割にまろやかなビールを頼んだ。トムヤンクンのスープの強い酸味と、ゴロゴロとスープの海を泳ぐ生姜や香辛料と、汗が止まらない辛さ。簡潔にまとめると、このトムヤンクン、とても美味い。辛くなった口にまろやかビールを流すと、よりビールの旨みも増す気がした。会計をすると、日本円で2500円程度と結構高い。おそらく、空港にあるレストランなので、観光客用にかなり強気の様子なようだ。バンコクの街のものはもっと安いそうだが、自分の空港は市街地から結構離れていて、トランジット中に行くのは難しい。地理的な要因で、トムヤンクンに2500円払うのはやむを得ないようだ。実は、タイでトムヤンクンを食べるのは長年の夢だったので、今日一つ、また夢が実現できてよかった。
トムヤンクンの洗礼を受けた後は、空港周りを少し歩いた。どうやら、成田空港やフランクフルト空港と同じで、周りにはこれといって何もない。なので、空港内のローソンにウィンドウショッピングしにいった。予想していなかったのだが、バンコクのローソンは日本のそれとそっくりだ。菓子パンコーナーや、スイーツコーナー、カップラーメンとお湯を入れる場所、レジの近くの焼き鳥スペース的なものもある。もちろん、焼き鳥スペース的なとこには、謎の串の料理がたくさん並んでいて、タイにローカライズされているようだ。また、興味深いことに、日本のお菓子がたくさんある。例えば、カラムーチョもあったが、カラムーチョおばあちゃんは何かをタイ語で叫んでいるパッケージになっている。また、謎の日本感を出したヨーグルト、「ドクヨーグルト」という謎の商品もあった。日本文化がこうしてタイに波及しているのはとても興味深いところである。
コンビニを眺めているだけでも時間は過ぎ、保安検査に向かう時がやってきた。バンコクの空港はとても大規模で、人もかなり多い。保安検査場の前で、インドに向かう人々をたくさん発見した。会話を盗み聞きしていたところ、自分の前にいた人は、Cochinに行くらしい。「自分もCochinに行くよ。」と声をかけたところ、その3人組と友達になった。笑顔で接してくれた彼らは、もともとCochin出身ではなく、あくまでタイ旅行の帰りに、Cochinから乗り継いで南インドに向かうそうだ。彼らはタミル語を話すそうだが、自分はタミル語を話せない。しかし、自分がドイツ留学中に身につけた、ヒンディー語のスラングを駆使して、なんとか仲良くなることができた。自分が大阪から来たことを伝えると、背の高い一人は「自分の友達が大阪と京都で働いているんだ。」と言っていた。ついでに、南インドの結婚式に参加する時の服装についてアドバイスを求めた。すると"It does not matter." (「別になんでもいいよ。」)と言っていた。その辺りはあまり厳しくなさそうだ。
保安検査所で、無事3つあったペットボトルから2つは捨て、もう1つはなんとかテニスサークルの大学生のように一気に飲み干し、ようやくゲートに向かった。バンコクの空港はとにかく大きく、Cエリアの端まで歩かされて大変だった。そして、ついにバンコクからインドのCochin行きの少し小さめの飛行機に搭乗した。機内は満席であり、インドに帰る人たちがほとんどである。機内では先ほどの陽気な3人組のインド人と目が合い、席が4列ほど離れているのに仲良くしてくれた。やはり、旅において、持つべきものは友達である。友達が、旅にスパイスをかけてくれるのだ。
ちょうどスパイスについて今この記事を書いていると、機内の夕食サービスがキックオフした。もちろん、機内食もスパイシーであった。机の上に所狭しと並ぶ、よりどりみどりの食べ物たち。メインはカレーピラフに、ナンのような薄めのクレープ。そして、チキンティッカマサラのようなもの。そして、パンもあり、アーモンドもついてきた。ここでもすでに満足で、机の上は満員状態だ。しかし、まだデザートが2つもある。1つは果物の皿で、ドラゴンフルーツ、オレンジの美味しい果物が2つついてきたが、初めて食べる味で名前がわからない。2つ目は、お米でできた甘いミルクのようなデザートだ。これは、ドイツに住んでいた時にたまに大学で食べた、ミルヒライス(ミルクで煮た米のデザート)に近いといえば伝わるだろうか?別の例えで言えば、おはぎがミルクとフュージョンしたものである。自分が今まで食べてきた飛行機の機内食の中で、インド行きの機内食はナンバーワンであった。それは全く過言ではない。
今、飛行機はあと1時間以内にインドのCochin空港につきそうだ。インターネットから隔絶された空の上。空港に着いたらこの記事を上げよう。あと、理由はわからないが、なんか今日、お腹にガスがたくさんできる。普段食べないものを食べたから、腸内が暴れているのかもしれない。今回の旅、お腹は壊しませんように、と祈りを捧げる。
PS. 正露丸も持ってきました。